グリー<
3632>とKDDI<
9433>は21日、東京地方裁判所にDeNA(ディー・エヌ・エー)<
2432>に対し、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起。請求額は、10億5000万円以上。
今年6月9日に、公正取引委員会は、DeNAに対して、独占禁止法違反行為を認定、排除措置命令を出している。
DeNAが運営するモバゲー(現 Mobage)にゲームを提供するソーシャルゲーム事業者が、グリーにもゲームを提供した場合、モバゲーからゲームへのリンクを掲載しないこととし、グリーへのゲーム提供を妨害したため。
排除措置命令に基づき、DeNA側は、上記の違法行為を行なっていないことなどを取締役会で決議、そのような違法行為が行なわれないよう社内研修などを実施することなどを義務付けた。排除措置命令については、8月に確定。
グリーが訴訟を起こした理由は、株主に対する経営責任、ソーシャルゲーム提供事業者など多くの関係者による健全な競争環境の確保などから。
グリー側は、DeNAにより、ゲーム提供が妨害されたカタチ。ゲーム事業者とともに、不利益を結果としてこうむっているため、法的措置を講じなければ株主から法的責任が問われる。
10億5000万円の損害賠償は、本来得られるはずの売上げが、この妨害により失われたと主張している。
KDDIは、au one GREEというサービスを提供しており、健全な競争環境の確保に賛同し、共同原告として訴訟に参加。
訴訟を起こしたグリーによると、DeNAは、排除措置命令が確定した後も、圧力や妨害が続いていると認識。
ゲーム提供会社に加え、サーバー提供会社、広告代理店などからも相談を受けていたことを明らかにしており、報復を恐れて参加できない企業も多いとしている。
この状況を是正するためにも、グリーとKDDIによるDeNAに対する訴訟提起は、大きな意味がある。
このような問題が明らかになると、DeNAは、横浜ベイスターズの親会社だけに、影を落とすことにもなりそうだ。