東芝<
6502>は24日、専用メガネをつけず、裸眼で3D映像が楽しめる液晶テレビを、年内にも発売する方針。裸眼で見れる3Dテレビは、世界で初めて。
これまでの3Dテレビは、右目用、左目用の二つの映像を高速で連続表示。右目用の映像が映ったときは、専用メガネは、右目は見え、左目は見えない。左目用の映像のときは、逆に、左目だけ見える。
見る人は、切り替えの違いを感じることはなく、左右の目に、それぞれの映像を見ることで、頭の中で、立体的な映像が再現される。これは、フレームシーケンシャル方式という仕組み。
東芝が開発したインテグラルイメージング方式(光線再生方式)は、角度が異なる多数の光を出し、専用メガネがなく、裸眼で見ることで、脳内で立体的に映像を再現するというもの。
裸眼での3D映像は、テレビとしては初めてながら、富士フィルムの3D対応デジタルカメラは、裸眼で3D画像が確認でき、任天堂が発売予定のニンテンドー3DS、シャープのスマートフォンなど小型の機器にはある。
ただ、テレビで実現しにくい背景には、表示部分の左右に右目用、左目用の映像が映し出されるため、見る人の位置が重要になり、これが、裸眼で見る3Dの弱点でもあった。
ところが、東芝が開発した方法は、画面から角度が異なる光を多数発することで、問題を克服。裸眼で、どの角度からでも映像が立体に見えるという仕組み。それには、高精細なパネルが必要という。
この仕組みで、3D対応の映像なら、ハイビジョン映像も含めすべて再生可能。視聴者が、感じる目の負担も少ないという。
3Dテレビへの関心は高いものの、これまでの仕組みでは、専用メガネが必要。この専用メガネに抵抗を感じる人も多く、これが裸眼で見れるとなれば、3Dテレビ需要に大きな弾みがつく可能性がある。