日立製作所<
6501>は26日、子会社の日立産機システムが製造するアモルファス変圧器を使った送配電網での温暖化ガスの削減プログラムが、クリーン開発メカニズム(CDM)の実施方法の一つとして国際連合に承認されたと発表。
同変圧器は待機電力が従来品の1/3と少なく、送配電時の電力損失を抑えることで二酸化炭素の排出を抑えると申請、承認された。日立産機は今後5年でアモルファス変圧器の売上げを倍増させる計画。
現在、急速な経済発展を遂げる中国では、電力不足により計画停電が行われている。しかも、発電所から送られる電力は、送る距離が長ければ長いほど減衰するため、国土の広い中国では、複数建設し電力を供給しなければならない。
これが、アモルファス変圧器によりおさえることができれば、発電所をある程度まとめることもでき大きなコスト削減にもつながる。火力発電に伴う二酸化炭素などの発生を低減できるとし、今後、中国やインドで行われる送配電網の整備事業に納入される。
日本国内の配電洋変圧器からアモルファス変圧器に変えた場合、年間400万トンの二酸化炭素が削減できるというからその効果は大きい。
CDMは先進国が発展途上国に技術、資金面で協力し温暖化ガスの排出を削減できれば、その分を自国で減らした分として算入できる。
それぞれの国に、温暖化ガスの排出削減目標が設定されており、また、二酸化炭素の排出権が売買できることからも、このような技術は時代のニーズに合っており、国連の承認を得たことではずみがつくのは間違いない。