調剤薬局のアインファーマシーズ<
9627>との経営統合を目指すドラッグストア大手 CFSコーポレーション<
8229>は20日、統合阻止を目指すイオンに対し、反論する意見書を発表。1月22日の株主総会に向け、イオン<
8267>は17日からCFS株主に統合反対を呼びかける委任状勧誘を開始、これにCFS側が対抗する。
事の発端は、経営が傾き経営再建中のCFSに対し、15%出資する筆頭株主であるイオンは、グループ内で連携すれば3年後には営業利益を10倍にできると独自の経営再建策を提案。CFSが調剤薬局最大手のアインファーマシーズとの経営統合に反対。
1月にある株主総会までに、経営統合計画を撤回するようCFSに働きかけ、従業員や取引先にイオンの独自案を説明できる場を設けて欲しいと要請していた。
これに対し、12月上旬には返答が得られると見ていたイオンだが、12月10日になっても明確な返答はなく、CFS株主に対して統合反対を呼びかける委任状勧誘を開始。大手小売りとグループ企業が委任状争奪戦を繰り広げる異例の事態に発展。
CFS側は、2009年にはスーパーでも大衆薬販売が可能となるなど、競争が激化すると見られ、調剤薬局を併設した新たなドラッグストアを目指す。そのためには、調剤薬局最大手のアインのノウハウ、人材が必要としている。
CFSグループのドラッグストアはハックドラッグ、現在、関東圏で展開しており300店舗近くあるが、調剤薬局があるのは、全体の10%にも満たない。
統合すれば、同社単体の営業利益は、5年間で2.5倍、予想一株利益は毎年29〜52%増え、株主の価値増大につながるとしてイオン独自の再建策を拒否した。
筆頭株主であるイオンは、現在、CFSの株価は業績不振に伴い下落しており、企業価値を比較した統合比率はCFSが0.3、アインが1.25と大きな差がついてる。
この場合、CFS株が1.25株に対して、アイン株の0.3株を割り当てることを意味し、両社の力関係に影響を与える。
イオン側としては、経営再建中という企業価値が下がった現在、非常に不利な状態での統合は到底容認できないというのが統合反対の主な理由。これをCFSの株主に訴えている。1月22日までに議決権の1/3を超える反対票を集め、統合案の廃案を狙う。
CFSは、2007年2月期には31億円の最終赤字に転落しており、経営再建が急がれる。アインファーマシーズと統合し、ドラッグストアと調剤薬局で、大衆薬解禁後も処方薬も取り扱い同業他社と差をつけるか、イオンとの連携によりグループ内で再建を計るか。
いずれにせよ、来年早々に再建の方向性が決まることになる。