日興コーディアルグループ<
8603>は28日、不正会計による利益水増しが発覚した2005年3月期などの決算について訂正報告書の提出が当初予定していた来年1月15日から、2月28日にずれ込むと発表した。
今回発覚した不正会計は、赤字となった孫会社を連結対象からはずし、利益を水増しした疑い。さらに、2005年11月に500億円の社債を発行した。投資家が社債を購入する上で、判断の基準となる決算に不正を行ったとして判断、監視委が金融庁に勧告した。
当初、この事件は、課徴金5億円が言い渡され、日興コーディアル側は「適切な会計処理」とし、課徴金は、役員が分担して支払うことになっていた。しかし、それだけにとどまらず、東証は日興コーディアルを上場廃止の可能性がある管理ポストへ、結果として社長、会長の引責辞任、新体制で再出発を図る。
不正会計といえば、今年初めに起こったライブドアの粉飾決済を連想させますが、日興コーディアルは、利益の水増しであり、連結純利益が777億円から588億円、純利益は469億円から351億円に修正と大きな利益を上げていただけに残念な話。実態のない裸の王様のようなライブドアとは違う。
ただ、記録的な高収益を背景に、投資家を欺いたという点は、企業の株式を扱うものとしての信頼に関わる大きな事件。企業の経営状況を厳しく判断し、株式上場に関与してきただけに、自らの利益の水増しという不正による信頼の失墜は深刻なもの。
日興コーディアルは、不正会計問題を研究するためのがいぶの専門家で構成した特別調査委員会を設置、信頼回復を目指すことになる。
証券会社としての規模の大きさ、上場廃止による株式市場への影響を考えれば、上場廃止の可能性は低い。ただ、そう簡単にもとの状態に戻れるほど軽いものでもなく、しばらくこの状態が続くものと思われます。
今年もこれで最終営業日、大納会となりました。年初めのライブドアショック、消費者金融の過払い、保険業の不払い、年末の日興コーディアルの不正会計と大きな事件が続発し、株価が大きく揺れた年でした。
来年は、このブログにお付き合いいただきましたみなさんが、投資家として今年よりもいい年になりますように。