伊藤園<
2593>は26日、コーヒーチェーンの『タリーズコーヒー』を展開するフードエックスグローブ(FXG)の株式を追加取得すると発表。伊藤園は、FXG発行株式の51%を取得、タリーズは傘下となる。
今年は、王子製紙と北越製紙、オリジンとドンキホーテなど敵対的買収(TOB)が目立ちましたが、このFXGの伊藤園子会化はそれを未然に防いだ形。SBIホールディングス子会社系のファンドがFXG株29%を取得、これを嫌ったFXGが飲料販売などで相乗効果が見込める伊藤園からの出資を受け入れた。
伊藤園は25日までにFXG株36.4%を取得する筆頭株主へ、買収額は48億円。続いてFXGの大株主ユニカフェの6.5%、FXGの松田社長、タリーズコーヒージャパンの北島社長から株式を取得、11月1日付け過半数の51%になる予定。追加取得の費用は19億1500万円。
タリーズは、米国発祥のコーヒーチェーン、1997年に日本市場に進出、全国におよそ300店を展開する。近年は、スターバックス、ドトールコーヒーなど同業他社との競合が激しく、業績は低迷、2006年3月期の売上高120億円、営業損失3億円、当期損失は11億円という。
伊藤園は、緑茶では最大手だが、コーヒー事業は弱い。タリーズを子会社化することで同事業の強化が図れ、相乗効果も期待できる。来年にもタリーズブランドのチルド(冷蔵)、缶コーヒーを発売する。ユニカフェとは、コーヒー豆の供給で協力。
一石二鳥にも、三鳥にもなる今回のタリーズの子会社化、伊藤園は低迷するタリーズを蘇らせることができるのだろうか。